大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)43 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人西村浩の後記上告趣意に対する判断は次のとおりである。

原判決が証拠として引用している被告人に対する司法警察官の聴取書と第一審公

判調書の記載を記録によつて調べてみると、被告人は原判示のような不正配給の事

実を最初から知つていた趣旨が窺われるので、原判決には論旨のように虚無の証拠

を犯罪事実の認定に供した違法はない。また、原判決は被告人が大阪府食糧営団住

吉川販売所係員Aに対しB等が実際に隣組内に居住し正当に配給を受けるものであ

るかのように装うて主食糧の配給を求め、同人をだまし同人から主食配給名義の下

に米麦類を受取つてこれを騙取した事実を認定して被告人の作為による詐欺犯を判

示したのであるから、本件は被告人の不作為による詐欺犯ではない。従つて所論の

ような義務の存否について考慮する必要はなく論旨は理由がない。

なお弁護人西村浩、同大野新一郎の上告趣意書は提出期間経過後に出されたもの

であるからこれについては判断しない。

よつて、刑事訴訟法第四百四十六条により主文のとおり判決する。この判決は裁

判官全員の一致した意見である。

検察官宮本増蔵関与

昭和二十三年四月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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